あかりつくり

あかりのつくり方を解説します。

私は自分の中から出てくる自由なかたちをあかりにするべく、独自の方法で和紙を造形をしています。

もとのかたちは油粘土でつくります。

素材の和紙は『吉野紙』という漆を濾すときに昔から使われてきたとても薄いのに丈夫な紙です。
どこかシルクのような風合いでもあり、やわらかでなめらかこのあかりの風合いをつくるのに最も適しています。

この吉野紙をかたちに合わせて大小さまざまな大きさに切り、それをていねいに一枚一枚しわにならないように糊ではり重ねていきます。
3層ほどをはり重ねそれを一旦しっかり乾燥させ、というのを数十回くりかえし、和紙と糊だけで『あかりの殻』をつくっています。
見た目よりもしっかりとした硬さがあり、かつ美しく光を通すあかりの殻です。

また、ひかりを灯していない時にもやわらかな和紙の素材感をたのしんでいただけるようこころがけてつくっています。

ひとつの作品をつくるのにひとつ型を抜き出す方法ということもあり、あかりのかたちはそれぞれひとつひとつちがいます。

また、置き型、スタンド、吊るしのシェード、壁掛けなど様々なタイプに、器具と合わせることでつくることができます。

あかりのパーツになっている木のオブジェや木の台座などもいろいろな木の枝から彫っています。
ドリルで配線の穴を開ける以外は電動工具を使わず手彫りしています。仕上げにはうるしや柿渋を塗っています。

電球について

あかりに入れる電球は白熱球をつかっています。
ぬくもりのある光が好きだからです。
LEDや蛍光灯は省エネで、まんべんなく部屋が明るくなります。
とても便利だから今や主流となっているのは当然とも思いますし 電球色のものはうちでも普通に使っています。
でも、やっぱり光の質に不自然なものを感じているからなのか、 長時間浴びていると疲れてくる気がします。

あかりたちには白熱球の光が一番よく合うように思います。
あかりは「明るく照らす」のではなく「自ら灯る」感じなんですよね。

あかりたちには大きさやかたちに合う一番しっくりくる明るさの電球があり、ちょうどよいものはひと肌くらいのぬくもりになります。
必要以上に明るいものを入れると熱くなってしまうので、お求めくださった方には適正ワット数と電球の種類はお守りいただくようにお願いしています。

うれしくなるようなユーモラスなかたち。あたたかく灯るやすらぎのあかり。
ほっとできるお気に入りのお部屋や、おやすみのときの枕もとにいかがでしょうか。
みなさんの暮らしの中にあかりがあることでゆったりとたのしい時間が流れてくれたらとてもうれしいです。

あかりを展示販売しているお店は
関東では埼玉の長瀞、わたしの実家の『うるし工房やました』
関西では奈良の『まめすず』
長瀞は田舎でちょっとへんぴな場所ですが、わたしも居りますのでぜひ一度あかりたちに会いにいらしてください!